PKによる先制点が入るまでは、とちらもゴールの匂いがしないというかお互いに有効な攻め手が見つからず、がっちりと堅い試合になっていた。お互いがリスクを背負わないロングボールの応酬でルーズボールになることが多かった。鹿島はレオ・セアラと鈴木優磨、FC東京はマルセロヒアへの放り込み合戦になっていた。しかし、お互いのCBも強くどちらも跳ね返しが強く、どちらのロングボールも良い攻撃にはつながっていた。その中でも個人的に強いて判定するのなら、ほんの少しだけFC東京の攻勢だったような気がする。ただ、やられそうでやられない一番良いときの鹿島だったような気もする。マルセロヒアンが思ったより選手で植田よりフィジカルが強かったかもしれない。いくつかクロスバーやポストに救われたが、切るべきコースを切ったからこその結果であると思っている。早川がボールを奪われた場面は後ろからのチャージによるものでファウルである。今シーズンの審判のジャッジは激しいコンタクトとラフプレーをは履き違えており、鹿島の正当なタックルはファウルにするくせに相手のラフプレーは流しており看過できない。
開幕してからまだまだスムーズに攻めることができているかというとそうではなくて、開幕戦のように先制点ほしさに焦れてピンチに陥ったり、新潟戦のように耐えるべきところで失点したりどこか不安定さが残っていたが、FC東京戦では僕が見る限りほとんど隙はなかったように思える。今やれること、やるべきことを淡々とやる姿勢が見えた。仮にこれで点が入らなくても仕方ない覚悟というかいい意味での開き直り、その結果が2－0の勝利である。正直額面ほどの差はほとんどなく、むしろ勝負は紙一重だったような気がする。先制されていればどうなっていたかわからない。そのなか根気強く戦った結果がこれである。個人的には東京ヴェルディ戦の4－0より価値のある勝利だと私は思う。昔の鹿島は紙一重のぎりぎりの勝利ができていて、それが少し蘇ってような、これが上位相手にできれば今シーズンは本当におもしろくなる。
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