昨シーズン、右SBは広瀬・小泉がいたが主に小泉が使われていたと思う。二人をタイプ別にすると広瀬が攻撃型、小泉が守備型である。広瀬の最大の持ち味はクロスで序盤戦、エヴェラウドにとてもいいクロスを供給しゴールをアシストしていた。しかし、守備面でいえばちょっとゆるいところがあってハラハラするところが多かった。その反面、小泉は粘り強い守備が持ち味で安心してみてられた。そして、右サイドの２列目は主にアラーノで、アラーノは縦横無尽に動き回る。それをうまくカバーしていたのが小泉だった。広瀬のクロスは魅力的だったが、アラーノとの相性も考えると小泉が起用されていたのは理解できる。ただ、終盤戦はエヴェラウドと上田の２トップがうまくハマっていて、この二人はヘディングがとても強い。さらに、今シーズンからアルトゥール・カイキが加入している。このカイキもヘディングが強いといわれている。このことを考えると広瀬のクロスは捨てがたい。小泉も小泉で守備はよかったがビルドアップの場面でノッキングを起こすことが多かったが、シーズン中盤以降はボールを持つと「どうやって崩したろか」というような表情で楽しそうにプレーしていて、どんどんビルドアップがうまくなっていった。結果、仙台戦ではアシスト、横浜FC戦ではゴールを記録した。昨シーズンは小泉の成長を楽しく拝見することができた。私の感覚でのポジション争いは小泉の方が若干リードしている。ただ、交代枠が５つあるので、普通DFラインで交代枠を使うことは珍しいが状況によって交代枠をSBに使っても良いと思う。また、今シーズンから大卒の常本が加入しており、どうやって小泉と広瀬の間に割って入るかも楽しみにしている。３人で切磋琢磨してもらいたい。
次に左SBである。昨日シーズンは主に永戸がレギュラーに定着していたが、永戸がコロナウイルスに罹りそこからは山本が使われていた。永戸は一昨年シーズンのアシスト王でクロスが上手いという触れ込みだったがそこまでクロスが上手いと感じさせる場面はなかった。どちらかというと守備面で奮闘している場面の方が印象的だった。私的にはもっとオーバーラップして深い位置までエグるシーンをみたかった。昨シーズンは右サイドから攻撃のほうが多く比較的左サイドはおとなしかった。今シーズンは永戸のアシストやゴールがもっと見たい。トレーニングマッチではゴールをとっており去年よりも飛躍するのではないかと心待ちにしている。反対にほとんど試合に絡むことができなったのが杉岡である。杉岡は2018年ルヴァンカップ決勝の横浜マリノス戦で豪快なシュートを決め優勝に貢献した。鹿島でもダイナミックなプレーをみせてくれるとおもっていたが空回りする場面が多くみられた。自分をアピールするのに焦っていた気がする。鹿島では今まで右利きの左SBの方がフィットしているが今シーズンは永戸と杉岡がともに左利きとなっている。二人とも１対１を仕掛けるときに縦にいくことを読まれている。特に杉岡は縦をケアされていてそれでも縦に仕掛けることが多かったのでバリーエーションや引き出しを増やしてほしい。永戸は右足が全く蹴れないわけではないと思うのでカットインシュートをたまには狙ってほしい。永戸のほうがポジション争いにおいてリードしているとは思うが杉岡もパワフルでダイナミックなプレーができると思うので地道に焦らずに自分の持ち味を出していってほしい。鹿島ではSBはとても重要なのでがんばってほしい。前任者の山本はよく点とっていて偉大であるが、ぜひ永戸と杉岡には山本を超える気持ちでプレーしていってほしい。
コメント